愛は求めず、捧げるもの。
※下記の内容は2018年以前のみんカラブログの記事をホームページ用に転載した過去ログとなります。
俺は修行先の店長時代、社長がすごく好きだった。
社長に幸せになってもらいたかった。
社長の為に休日返上で苦手な飛び込み営業を沢山した。
社長に降りかかるクレームはすべて俺が処理をした。
社長には好きな仕事だけをしてもらいたかった。
そして俺は社長に沢山の給料を取って欲しかった。
とは言うものの、
めげそうになって助けを求めた事も沢山ある。
仕事への情熱を投げ出しそうになった時もある。
「もっと俺を見て下さい!」って思ったこともある。
でも、社長は俺を優しく突き放してくれた。
やけになってつっかかる俺に対しても、少し冷めた後で「なぜ突き放すのか」をとことん語ってくれた。
だから俺は一生社長についてこうと決めた。
この気持ちを当時の同僚に話したら、同僚はこう言っていた。
「社長はいくら給料をもらってるんだろうね。俺たちばかり忙しく働かされて、社長は好きなことしかしない。きっと儲かってるんだろうなぁ。 ユーイチも頑張り過ぎるなよ。」
そしてその人にこの会社をどうしたいか聞いてみると、「俺の腕が上がればそれでいい。」と言っていた。
すごく違和感があった。
この同僚と俺の考えの違いは何なのか。
それは今思い返してみれば、俺が「決断」していたからだと思う。
この会社を背負うのは俺だと。 全ての責任は俺にある。
そしてそれを皆に公言していた。 友達にも。彼女にも。同僚にも。
それは退路を断つためでもあった。 18才の時だった。
だから辛い事は山済みでも、辞めようと思ったことは一度も無かったんだと思う。
でもね。
「決断していた」ということに気づいたのは、この頃よりもずっと後のことだった。
そんな事に気づかないくらい、目の前の事を乗り切ることしか出来ない自分だったから。
社長を儲けさせるのが俺たちの仕事。 社長に好きなことをさせなきゃ会社の発展なんか無い。 それを前提に雇ってもらっているのが俺たちの立場。
見えないところで沢山の苦労をしている社長を俺は知っている。
隠れて飲んでいる胃薬の量を見ればそんなのは分かる。
俺たちでは想像も出来ないくらい重いプレッシャーと戦っている。
こんな事を言葉に出来始めたのも、自分が独立する直前だったと思う。(21歳くらいかな)
(自分が社長になって体験してから気づいた事も多いけど)
そして「社長が大好き」というモチベーションはやがて、「社長が目指す方向性(モノヅクリに対する熱い想い)が大好き」に変わって行った。
「人」から「理念」に移っていったのだ。
俺自身まだまだ社長のような大きな器の男には程遠いけど、今同じ業界で仕事が出来ている事が幸せでたまらない。
俺は今でもこの社長が大好きだ。 この人が居てくれたおかげで今の俺が居ると言っても過言ではない。(あまり書くと怒られるからここまで。笑)
この間の会議で井桁が、
「社長は数年後ハワイでのんびり暮らしていて欲しい」と言ってくれた。
俺はめちゃくちゃ嬉しかった。
ハワイでのんびり過ごす事が嬉しい訳じゃない。 そう思ってくれる社員が居ることが嬉しいんだ。
長く連れ添っているボブもこの視点をもってくれている。
「社長!もっと良い車乗ってくださいよ!代車生活はやめて!笑」
「社長!この車は売らないで自分で乗って下さいよ!」
「社長!あのお客様は俺が窓口になります。社長は出てこないで下さい」
「社長!もっと好きな仕事をして下さいよ!」
「社長!あなたが経営者になったとしても、趣味で職人は続けて下さいね・・・」
何度この言葉に救われてきたか。 本当に感謝している。
その他のスタッフも皆そういう視点をもってくれている。
本当に本当に嬉しいことだ。
だからこそ。
俺は甘える訳にはいかない。
俺が選んだ道は経営者という目に見えづらい仕事だけど、その志事を通して必ず皆を幸せにする。 絶対に。ぜったいに!!!
そしてもし、俺が抱いた疑念をスタッフが思う時は、俺の社長がそうだったように、優しく突き放してあげたい。
「自分の退路を絶てず、夢を語れない人間は他人のことが気になってしょうがない。」
「自分の退路を絶ち、夢を語る人間は他人の事を気にする暇なんて無い。」
このことを。
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