お客様からの苦情は大切なお手紙です。
※下記の内容は2018年以前のみんカラブログの記事をホームページ用に転載した過去ログとなります。
「社長手伝ってよ。」
スタッフがこんな顔をする時がある。
こんなに頑張ってるんだから、少しは労って。
そんな表情を浮かべる人もいる。
普段は、「ジェットストロークはチームなのだから、誰かが困っていたら手を貸してやれ。」
そう教えているはずなのに、私はめったな事では通常業務に手を貸しません
しかし滅多なことで私が与えた仕事を私が手伝うことはありません。
もちろん技術的に難易度のある作業で、その施工方法のレクチャーはいくらでもしますし、場合によっては現在でも私が作業自体を手がけることもあります。
話は10年前にさかのぼります。
私は高校卒業後すぐに修行先となる店に就職をしました。
そこの店は社長と数名のスタッフ達でなるカスタムショップ。
当時18歳の私は、高校在学中からアルバイトで同店に出入りしており、多少の技術は習得していた為すぐに現場に回され、20歳を超えた位の時に数名のスタッフを使う店長に抜擢されました。
もちろん店の長たるべき存在として業務の一切を担い、接客から塗装まで今思い返しても我ながら頑張っていた方だと思います。
しかも、すでにある程度自分の腕に自身があった為(今考えると素人に毛が生えたようなものだが)自分のバイクや車を改造しながら楽しいカスタムライフを送っていました。
しかしある日、このまま行くとお客さんとの約束した納期までに製品(カスタムペイント)が仕上がらないかも。という追い詰められた状況が発生。
とはいえ、カスタムという仕事をしていると始めてみたら意外と時間がかかってしまうなんて事は日常茶飯事で、それでも今までは寝ないででもなんとか切り抜けてきましたが、今回は寝ないでやってもどうにもこうにも終わりそうにない事態。
しかも、あと数時間で一度お客さんが見に来るという。
だが、デザインも決まってないし、材料も空輸便が遅れて足らないし、他の仕事の納期も詰まっているし、他のスタッフには任せられない・・・
しかもバイクに超詳しいマニア系の方で、仕上がりもミリ単位でチェックが入る。
ふぅ・・・
考えただけでもゾッとするようなシチュエーションですが、まだ続きはあります。
この時私は彼女と同姓しており、大ケンカの真っ最中。 仕事で帰ると、毎日のように別れる、別れないの話し合い。
また小さい頃から一緒に暮らしてきて親父のような存在だった、母の兄が病気で逝去。
とても仕事に集中できる状態ではありませんでした。
と、その時。
自分が好きで選んだ仕事でもあるのに、追われることが嫌でその場から逃げたくなっている自分がいる事に気付くのです。
カスタムペイントなんてやろうと思えばどこででもできるし、もっと楽に仕事がしたい・・・
自分の時間が欲しい・・・
遊ぶお金も欲しい・・・
志さえ失いかけていました。
でも、社長は助けてくれない。
目や表情で訴えても応えてくれない。
あからさまに愚痴りながら嫌々モード全開で仕事をしていても、気にもしてくれない。
俺なんかが作業するより100倍早いのに・・・。
「少しは俺のことも考えてくれよ。すげー頑張ってるじゃん!おれ!」
って心の底で叫んでいました。
なのに社長は「天気がいいからモンシロチョウを捕まえに行ってくる。」と網を持って出かけてしまう。。。。
「おーーーーーい!!!!怒」
思い返すと、恐らくその辺で自分の緊張の糸が切れてしまったのだと思う。
とは言っても納品日は迫っているし、とりあえず形にしなくちゃいけないので、余っている材料とその時浮かんだテキトーなデザインで1台を塗り上げました。
数日後、母兄の葬儀が終わり空けていた会社に出社すると社長から、
「お前の塗ったバイク。 みんなで検品したけど、ダメだったから俺が塗り直して納品したから。」
「え???? マジですか。 でもアレ、次の日納品だったはず・・・」
と私。
社長、「電話して時間を変更してもらったけど、納期には間に合わせたよ。」
私、「申し訳ありません。」
でも、その時心の中では「だったら最初から手伝ってくれよ!」という気持ちでいっぱいに。
そして最後に社長から言われた一言。
「嫌なら辞めていいよ」
私、「え?」
「俺が大切なのはお前の成長なんかじゃなく、店のプライドと良い物を決まった期日までに納品するというお客との約束だ。 技術者として、店長として、それが守れないなら全てを俺が行うから辞めて良いよ」
その時、やっと気付きました。
おれは働いているのではない。 働かせてもらっているんだ。
そしてそのお金で生活している以上、自分もプロなんだ。
社長は俺の逃げの心を見抜いていました。
そしてこのままでは職人としても成長しないと判断し、見て見ぬ振りをしながら「手伝わない」という方法で私を支えてくれていたのです。
そして社長は、
「俺が塗っても、お前が塗っても。お客は同じ金を払う。 そして同じ期待を抱きながら納品時には製品と満足をお持ち帰り頂く。 それがプロってもんだよ。 だから俺とお前とで作品に向かう気持ちに差があってはいけないんだ。 そして作品に対する気持ちってのは自分でしか吹き込めないんだよ。 それが技術として目に見える形に残るんだから。それが造り手として一番忘れちゃいけないことだし、逆に一番おもしろい所でもあるんだ。 だからもしお前がそこまでの気持ちを持てないのであればいつでも辞めろ。 楽しみにしてくれてるお客に悪いからな。 技術はなんぼでも教えてやるが、志だけは自分で保たねばならん。」
私はこの話をされて、涙しました。
自分の考えの浅はかさと、職人としての無能さを痛いほど実感しました。
そして、
「プロというのは誰がどうでは無く、自分自身でゴールを決め、そのゴールに向かって必ず結果を出さなければならないということ」
「人からの信頼は人への信頼でしか返せないこと」
「ヤリガイをそのまま仕事に出来る幸福さ」
などを学びました。
そしてその時の気持ちを一つの原点とし、22歳の時に独立する事が出来ました。
いまでもその社長とは良き先輩として、そしてお互い上を目指す技術者としてお付き合いさせていただいております。
これが今、私が作業を手伝わない理由です。
また、
ウチのスタッフは私と同等もしくはそれ以上のスキルを持ち合わせています。
ですから個々のスタッフの力量を把握し、そいつが頑張っても超えられないと思う仕事は与えません。
また現在は出来なくても、この仕事を通じて試行錯誤することによりスキルが上がり、最終的にはお客様に満足いただく形で納品できるレベルの仕事はスタッフに任せます。
もちろん、上司の品質管理付ですが。
今はそんな信頼関係から、上に書いたような「社長、手伝って」の言葉を口にするスタッフはいません。
経営者である僕と作業者である自分達と、社内で役割分担する事の重要さとその目的を理解してくれています。
この話はもう何年も前の話です。
当時の私の社長が、私の事を信頼してくれ仕事を与えてくれていたように、
現在は私がスタッフを信じる。
信じきる。
スタッフがその期待に応える。
応えきる。
不必要に関与しない。
そしてそのバランスの延長線上にお客様の満足と感動を描き仕事をする。
そんなよい関係が築けているのではないかと思います。
最後に。
上に書いた「私の過去の話の中で、私の塗ったタンクを責任者が検品し、不具合があったから社長がやり直し、お客様には迷惑がかかりませんでした。」という経験から、ジェットストロークの全ての作業は現在、店の責任者でもある清水店長と工場の責任者である浅田工場長がしっかり完成検査を行ってから納品・納車されます。
本来であれば私が全ての作業を確認したい所ではありますが、部署がいくつかに分かれている事と出張などで社を離れるケースが多くなってきた為、業務の役割上彼に全てを任せております。
またフロントに関する業務に付きましてはフロント長の細野営業部長に一任しております。
しかし、私達も人です。
何においてもこれが100%と言い切ることはできません。
その為、サービスや技術においても絶対終わりがない。
だからこそそれにいつまでも近づこうと皆で努力する必要があると思います。
もし、私の耳に入らないお客様のお声があるとしたら、ジェットストロークにとって計り知れない損失になる事は明白です。
それだけはなんとしても阻止しなければなりません。
そこで、今回お客様相談ダイヤルを設けました。
この電話番号はフロント長の湯浅に直接繋がります。
そしてすべての案件が私に報告され、私から状況に応じて責任者に伝達。また責任者の範疇を超えていると判断した場合、私が直接お客様とお話させて頂きたいと思います。
こちらがその番号です。
070-6647-9167(幹部が交代で携帯しています)
受付時間 AM10:00~PM5:00 土、日、祝日は電話に出られません。
社長直行メールアドレス
sasaki@jetstroke.com
※ お客様からの苦情、ご意見のみお受付させて頂きます。
※ 通常のお問い合わせはフロントへお願い致します。(047-446-5557)
※外周りの営業中、お客さま接客中などは電話に出られない場合があります。その場合は留守番電話にお名前とご連絡先を録音してください。
それではどうぞ宜しくお願い致します。
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